2008年6月5日(木)「しんぶん赤旗」
脳死をどうみるか
臓器移植 推進、慎重双方が意見
高橋議員が質問
衆院厚生労働委員会は三日、臓器移植法の三改正案について、移植推進、慎重双方の参考人から意見を聞きました。
日本共産党の高橋千鶴子議員は「子どもの命を助けたいという点は法案への態度の違いを超えて同じだ」とした上で、「法改正で脳死は人の死と一般化されてしまえば、たとえ家族は拒否できても、これまでどおりにはいかない。見解が分かれているのに決めてしまうことをどうみるか」と質問しました。
これにたいし慶応大学の井田良教授は「合意の取り方としてはいろいろあるし、強制されるべきではない」とのべました。
長期脳死状態にあったわが子をみとった中村暁美氏には、兄弟がこの「脳死をどのように受け止めたか」と質問。中村氏は「人のいのちについて深く考えるようになった」とし、学校で配られたドナー・リーフに長期脳死の問題がなにも書かれていないことは「不公平だ」と表明しました。
小児科医の杉本健郎氏は、子どもの臓器移植について、脳死判定基準は十分か、厚労省は長期脳死問題を避けていないか、尊厳ある生をどう生き、支えるかという視点が必要と指摘。「多くの臓器提供者の親は、やむにやまれずした決断が果たして正しかったのか悩んでいる」と語りました。