2008年6月5日(木)「しんぶん赤旗」

中長期目標 世界が注目

市田氏質問 温暖化対策で参考人


 参議院環境委員会は三日、地球温暖化対策法改定案について参考人質疑をおこないました。国立環境研究所温暖化リスク評価研究室の江守正多室長、名古屋市環境局の加藤正嗣局長、早稲田大学法学部の大塚直教授、地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)の早川光俊専務理事(弁護士)の四氏が意見陳述しました。

 参考人陳述で早川氏は、この一年の国際交渉のなかで、気温の上昇幅を工業化以前から二度未満に抑えることが、世界的な目標として「ほぼ定着してきた」と指摘しました。そのためには、世界の排出量を二〇一五年までにピークをむかえ、五〇年までに二〇〇〇年比で50―85%削減する必要があると述べました。

 そのうえで、日本の課題は、目標の6%排出削減(一九九〇年比)を達成することと、高い中長期目標を設定することだと述べました。目標達成のメドがたたないために、ロシアなどの余剰な排出枠を国民の税金で買ってきて数字合わせをしようとしている日本政府の姿勢を批判し、「国内対策をきちんとしないと、将来の世代に重い負担を残すことになる」と述べました。

 日本共産党の市田忠義議員が、日本政府の姿勢について尋ねたのにたいし、早川氏は「世界の市民が注目しているのは、G8を控えて日本が中長期目標を出すのかどうかというところだ。なぜ出さないかは、日本の対策が進んでいないからだと思っている」と答え、産業界が真剣に取り組む必要性を指摘しました。

 中長期の削減目標を設定することの意義について、江守氏は「二酸化炭素をほとんど出さない新しい文明に移行しなくてはいけない。そういったスケールでとらえていただきたい」と答えました。



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