2008年6月6日(金)「しんぶん赤旗」
後期高齢者医療制度
国費投入を減らし現役世代に負担増
井上氏追及
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高齢者医療費に占める国庫負担の割合が、後期高齢者医療制度の導入によって減少したことが五日、参院厚生労働委員会でわかりました。日本共産党の井上哲士議員が追及したものです。同制度で「公費を重点的にあてる」という、政府・与党の言い分が成り立たないことが明らかになりました。
厚労省のまとめによると、二〇〇七年度の老人医療費全体に占める国庫負担の割合は37・3%でした。ところが同制度が始まった〇八年度は35・4%に低下。井上氏は「政府の宣伝とはまったく逆だ」と批判しました。
井上氏は、派遣労働者の娘をもつ母親から寄せられた手紙に、娘の保険料が大幅に上がり、制度改悪が若者にも影響することへの怒りがつづられていたことを紹介。「政府は『現役世代の負担を過重にしない』と言うが、実際には『国費の投入を減らして、現役世代に負担を押し付ける』ことになっているではないか」とただしました。舛添要一厚労相は「公費負担の割合が変わったということにはならない」などとくり返しました。
後期高齢者医療制度廃止法案の発議者として答弁した日本共産党の小池晃議員は、「老人医療費に対する国庫負担は、明らかに減っている。公費を重点的に投入したというのはまやかしの説明であるということがはっきりした」と強調しました。
井上氏は、四日に厚労省が公表した、後期高齢者医療制度の保険料の調査結果についても質問。小池氏は、意図的な調査方法の問題点を指摘するとともに、「たとえ一時的に保険料が下がったとしても、将来は自動的に保険料が上がっていく仕組みになっている。制度を廃止しない限り、問題は解決しない」と答えました。
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