2008年6月6日(金)「しんぶん赤旗」

米陸軍 8346億円が不明朗支出


 米国防総省はこのほど、イラク、クウェート、エジプトに駐留する米陸軍の支出に関する監査報告を公表しました。二〇〇一年四月から二〇〇六年六月の間、「対テロ戦争」のための物品や役務に支出した八十二億ドル(約八千五百二十八億円)のうち、七十八億ドル(約八千三百四十六億円)に不備があったと結論付けています。

 陸軍が緊急事態の際に支出する場合、五十三項目の法的要件を満たさなければなりません。ところが報告によると、そのうち最低限必要な二十七項目を満たしていない支出が十四億ドルに上りました。二十七項目の要件は満たしたものの、それ以外の要件に不備があった支出も六十三億ドルとなっています。

 この問題は五月二十二日の米下院監視・政府改革委員会の公聴会で取り上げられました。証言した国防総省のユーゴン副監査総監は「何のために支払ったのかが分からない」と述べました。

 委員会では、〇五年に契約企業に千百十万ドルを支払ったことを示す書類が取り上げられました。この支払いには、請求書も領収書も添付されていません。さらに報告は、〇四年にイラクの企業に五百六十万ドルが支払われたものの、その金が何に使われたのか、記録がない事例も紹介しています。

 同委員会のワクスマン委員長(民主)も「いったい何に使うか分からないまま、千百万ドルも手渡す人がいるだろうか」とあきれ返っていました。

 イラク戦費のずさんな管理はこれまでも指摘されてきましたが、今回の報告は改善が進んでいないことを裏付けています。



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