2008年6月7日(土)「しんぶん赤旗」
「アイヌは先住民族」
全会一致 衆参両院が決議
「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が六日、衆参両院の本会議でそれぞれ全会一致で採択されました。
決議採択を受けて町村信孝官房長官は「アイヌは先住民族であると認識」と政府として初めて認める所信を述べました。
決議は、昨年九月に「先住民族の権利に関する国連宣言」が日本政府も賛成して採択されたことを踏まえ、「アイヌ民族の長年の悲願を映したものであり、同時に、その趣旨を体して具体的な行動をとることが、国連人権条約監視機関から我が国に求められている」と指摘しています。
その上で政府に対し、(1)同国連宣言を踏まえ「アイヌの人々を日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族として認める」(2)「同宣言における関連条項を参照しつつ、高いレベルで有識者の意見を聞きながら、これまでのアイヌ政策をさらに推進し、総合的な施策の確立に取り組む」とし有識者懇談会を設置する―よう求めています。
日本共産党の紙智子参院議員は昨年十一月、政府に質問主意書を提出し、国連宣言に沿ってアイヌを先住民族と認め、生活全般について議論する審議機関を政府内に設置するよう要求。北海道ウタリ協会(加藤忠理事長)は今年五月二十二日、政府にアイヌを先住民族と認めることなどを要請しました。これには紙議員も同席しました。
紙議員も世話人となった「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」も三月に結成され、国会決議の実現をめざして活動していました。