2008年6月10日(火)「しんぶん赤旗」

真実取り戻したい

日本軍「慰安婦」被害者 特別展で証言


 「女たちの戦争と平和資料館(wam)」は八日、第六回特別展「ある日、日本軍がやってきた―中国・戦場での強かんと慰安所」のオープニング証言集会を東京都内で開き、百余人が参加しました。中国・山西省の日本軍「慰安婦」被害者と遺族は「真実を取り戻したい」と訴えました。

 証言したのは万愛花さん(78)と楊秀蓮さん(44)。二人は一九九八年に日本政府を訴えましたが、二〇〇五年に最高裁で敗訴が確定しました。

 「私は戦争の生き証人だ。日本政府はなぜ日本軍が中国で犯した罪を認め、謝罪しないのか」と何度も訴えた万さん。「どうして裁判に勝つことができなかったのか。日本の侵略戦争は正しかったのですか。道理はありましたか」と参加者に問いかけました。

 万さんは十五歳で拷問と性暴力を繰り返され、体中を骨折、骨盤も折れて身長が二十センチ縮むという被害を受けました。「当時を思い出すと心が痛む」。いまも被害の実態について多くを語ることはできません。

 楊さんは養母の南二僕さんの遺志を継いで原告になりました。養母は楊さんが三歳だった六七年に自殺。「母は日本軍のせいで被害に遭い、日本軍のせいで亡くなった。日本の若者には歴史の真実をきちんと心にとめてほしい」と話しました。

 特別展は中国・山西省、海南島、南京を中心に性暴力被害と加害の実態を展示。早稲田奉仕園内AVACOビル二階の同資料館で来年五月二十四日まで(午後一時から六時。休館日は月・火・祝日・年末年始)。問い合わせ=03(3202)4633。



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