2008年6月11日(水)「しんぶん赤旗」

大阪府のばく大な赤字 だれがつくったの?


 〈問い〉 大阪府の赤字の大きさに驚いています。あんな大きな赤字がなぜできたのですか?(長野・一読者)

 〈答え〉 大阪府の府債残高(借金の累計)は2007度末で4兆9930億円にのぼり、1991年の1兆3416億円の約3・7倍です。

 これほど借金が増えた原因は、決して福祉や教育・安全・中小企業支援・人件費などにあるのではなく、国の地方自治体いじめや府の大型開発にあります。

 バブル崩壊後、政府は景気対策と称して何次にもわたる公共事業を地方自治体に押しつけました。政府は、単独建設事業などの財源はあとで「地方交付税」で補填(ほてん)するといい、大阪府はそれを当てにして借金してゼネコン仕事をすすめました。しかし結局、国は財源の補填はせず、それどころか地方交付税を大きく減らしました。小泉政権の03年以来、「地方交付税の削減、補助金・負担金削減と税源移譲」が進められた結果、大阪府では03年と07年との比較で544億円も国からの財源が減りました。昨年の定率減税廃止のさい、所得税や住民税についてだけ廃止し法人税減税は廃止しなかったことも、“国の地方いじめ”となりました。これを10年前の減税以前に戻すだけで、府の法人税収入は07年度で1000億円以上増えるのです。

 府自身の最大の問題は、目にあまる大型開発の無駄遣いです。

 すでに関西空港2期工事に1140億円、全く不要な安威川(あいがわ)ダム建設に707億円などを支出しています。はじめから750億円の赤字を一般財源で補填すると決めて始めた箕面の山の宅地開発や、破綻(はたん)した、りんくうタウン開発、先端産業を集積させるとした泉佐野コスモポリスなど三つのコスモポリス計画などなど、必要性も採算性もない自然破壊の開発が、巨額の借金を生み、失敗の穴埋めにまた借金をする、これらの大型プロジェクトはいまも続いています。

 府民の批判に耳を傾けず、これらをすすめた、歴代知事と自民・公明・民主のオール与党〈当時〉の責任はまぬがれません。

 日本共産党府会議員団は、これ以上の大型開発をやめ、借金を増やさないこと、国に対して、知事も議会も府民も一緒になって、「地方自治体いじめやめよ、大企業の減税を元に戻せ」と迫る大運動を起こそうと提唱しています。(黒)

 〔2008・6・11(水)〕


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