2008年6月12日(木)「しんぶん赤旗」

「せんたく議員連合」とは?


 〈問い〉 自民、民主などの国会議員が参加する「せんたく議連」というものができたそうですが、どんな組織で、ねらいは何ですか?(静岡・一読者)

 〈答え〉 「せんたく議員連合」は、自民、民主、公明、国民新各党の議員でつくる議員連盟です。結成を呼びかけたのは、「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)のメンバーが中心となって旗揚げした「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合」(略称・「せんたく」、代表・北川正恭元三重県知事)です。

 「21世紀臨調」とは、1990年代から小選挙区制の導入など「政治改革」をとなえ、“政権交代可能な政治システム”を名目に「二大政党」制の確立をけしかけてきた団体で、財界関係者、有識者、マスコミ関係者らでつくります。

 「せんたく議員連合」と「せんたく」は3月3日に、都内のホテルで合同発足総会を開きました。議連の活動方針では「『政策論議の活性化』と『マニフェストの進化』に務め、来る選挙を…歴史的な『政権選択選挙とする』」としています。

 「せんたく」と「せんたく議連」は双方の幹事会による「定例合同会議」や、「せんたく」が設置する「マニフェスト政治推進会議」(座長・茂木友三郎キッコーマン会長)と議連との交流を通じ、マニフェストの検討を進めるとしています。

 このように「せんたく」と「せんたく議連」は協力してマニフェストの“充実”をはかることを目的にしています。

 なぜいまマニフェストの充実なのでしょうか?

 03年の総選挙で21世紀臨調や財界関係者によって提唱された「マニフェスト選挙」は、「二大政党」の掲げる「マニフェスト」を通じて、国民の“選択肢”を消費税増税や憲法改悪など大企業とアメリカの要求の範囲に押しとどめようとするものでした。しかしその後、民主党の小沢一郎代表が「対決戦術」に切り替え、同党マニフェストから消費税増税方針が影をひそめるなどしました。このため、「せんたく」の代表らは「マニフェストの信用が落ちている」と危機感をもち、自民・民主両党のマニフェストの作成段階から口出ししていこうというわけです。21世紀臨調は「せんたく議連」と連携して10〜11月には「政権公約策定推進大会」を開くことや、9月に予定される民主党代表選挙での党首マニュフェストにも関与する意思を示しています。「せんたく」のねらいは、財界の要求である消費税増税や改憲などを「マニフェスト」にしっかり位置づけなおすことなのです。(祖)

〔2008・6・12(木)〕


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