2008年6月16日(月)「しんぶん赤旗」

水害で穀物価格高騰

米中西部 穀倉地帯を直撃


 【ワシントン=西村央】米中西部で洪水による河川の氾濫(はんらん)が発生し、トウモロコシや大豆畑などへ大規模な被害が広がっています。早くもこれらの価格上昇の動きが出ています。

 水害が特に広範囲に広がっているアイオワ州は米国内でも有数の穀倉地帯。トウモロコシや大豆の生産量は全米でも一、二を争っています。

 一九九三年の大水害以来という今回の洪水で、アイオワ州内で複数の川があふれ、現地からの報道ではトウモロコシ畑が広い範囲で冠水しています。この水害に先立って州内で発生した竜巻や強風で小麦もなぎ倒されています。

 米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル十四日付は、洪水がトウモロコシや大豆の収穫に壊滅的打撃を与える恐れがあるとして、これらの価格が記録的な上昇を示していると伝えています。

 世界の穀物価格に影響を与えるシカゴ穀物市場では、十三日の金曜日にトウモロコシが一ブッシェル(約二十キロ)当たり、七・三一七五ドルと最高値を更新しました。大豆は最高値に近い十五・六ドルまで上昇しました。

 トウモロコシ価格は今年になってから一月の四ドル台(一ブッシェル当たり、以下同)から、四月には六ドル台まで高騰。この時は投機目的の資金が大量に流入した結果で、国際的な穀物価格急騰による途上国での食料不足などにつながりました。

 今回の水害による世界の穀物価格への影響は避けられず、途上国などでの食糧確保に難題が加わったといえます。


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