2008年6月18日(水)「しんぶん赤旗」

後期医療廃止法案

衆院審議入りは野党の責任

民主などは審議拒否

与党、「見直し」固執


写真

(写真)後期高齢者医療制度廃止法案の審議入りを申し入れる穀田恵二国対委員長(右から2人目)。左から2人目は大島理森自民党国対委員長=12日、国会内

 後期高齢者医療制度への国民の怒りを受けて、野党四党で国会に提出し、参院で可決(六日)した同制度の廃止法案。日本共産党は、衆院での審議入りを強く求めています。ところが、与党は、制度の「見直し」に固執。廃止法案を自ら提出した共産党以外の野党まで審議拒否の態度を続けており、政党の国民に対する責任が厳しく問われています。

半数超す「廃止」

 制度存続に固執する政府・与党が打ち出した「見直し」には、国民の多数が批判的です。

 「毎日」(十六日付)によると、後期高齢者医療制度を廃止し、もとの制度に戻すことに「賛成」が56%で、「反対」の30%を上回っています。

 「朝日」(十七日付)でも、「見直し」を主張する政府・与党を評価する人は30%で、廃止を主張する野党を評価する人が49%。共同通信社の世論調査でも、「運用改善」が44・9%に対し、「廃止すべきだ」は47・0%に達しています。(「東京」十四日付)

 若干の「見直し」でやり過ごそうとする政府・与党の姿勢が、国民の願いから、かけ離れたものであることは明らかです。

国民の願いは…

 こうした国民の願いに応え、一刻も早く廃止法案を衆院で審議入りさせ、可決をめざすことは、法案を提出した野党に課せられた最も緊急かつ重要な責任です。

 しかし、民主党、社民党、国民新党は、十一日の参院本会議で福田康夫首相への問責決議案を可決して以降、審議拒否戦術を続けています。

 こうした事態のなかで、日本共産党は、なんとしても審議入りを実現するため、努力を重ねてきました。

 二十一日までの会期延長が決まるのに先立つ十二日には、穀田恵二国対委員長が、自民党の大島理森国対委員長と会談。大島氏は、日本共産党が野党四党の代表として趣旨説明、答弁に立つことについては、他の野党の同意が条件だとの考えを示しました。

 これを受け、日本共産党は、民主党など三野党に同意を求めましたが、各党は同意しませんでした。

 会期延長後の十六日には、市田忠義書記局長が記者会見し、審議入りを実現するための緊急の四野党書記局長・幹事長会談の開催を提起。同日、穀田国対委員長は、野党三党の国対委員長に申し入れました。しかし、ここでも三野党は、会談の開催について拒否しました。

 廃止法案は、野党四党が提出した法案であり、政府を相手に審議するのではありません。みずから提出した法案を、みずからボイコットするというのは、だれがみても道理のない態度です。

 一方、民主党は、岩手・宮城内陸地震など「緊急時」「人道上」の問題での質疑には応じる姿勢を示しています。これには民主党内からも「党の姿勢が国民に分かりにくい」「廃止法案は国民生活に密着したテーマだから審議すべきだ」といった声があがっているとも報じられています。(「日経」十七日付)

 FNN(フジテレビ系)の世論調査(十六日)でも、問責決議を可決した野党が「衆参両院で審議を拒否するのは当然か」の問いに、「そうは思わない」が50・7%と過半数に達しています。ここでも、国民が何を望んでいるかは明らかです。(田中一郎)


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