2008年6月19日(木)「しんぶん赤旗」

サンパウロ・フォーラムとは?


 〈問い〉 日本共産党も招待を受けたサンパウロ・フォーラムとはどんなものですか?(愛知・一読者)

 〈答え〉 サンパウロ・フォーラムは、ラテンアメリカ諸国の左派政党や進歩勢力が集まって情勢や共通する課題を討議する場です。第1回の会議はブラジルのサンパウロで1990年7月、同国の労働党の呼びかけで行われ、48の政党・組織が参加しました。その後は中南米各国をめぐって、ほぼ毎年開催されています。発足のねらいは、ソ連・東欧の激動や崩壊が中南米の左翼勢力にも重大な影響を及ぼしていたもとで、地域の特殊性にもとづく共同の方向を探究しようというものでした。

 フォーラム発足当時、与党だったのはキューバ共産党だけでした。その後、多くの党が選挙で勝利して与党になりました。ブラジルの労働党、ウルグアイの拡大戦線、ニカラグアのサンディニスタ民族解放戦線党などです。ベネズエラの統一社会主義党など左派の新しい政権与党がフォーラムに参加する動きも広がっています。メキシコ、コロンビア、エルサルバドルからの代表は首都の革新市政を担っています。

 アメリカが主導する新自由主義政策が各国で強まる中、フォーラムではこれまで、新自由主義に反対する共同のたたかいが重視されてきました。与党としての参加が増えている近年では、新自由主義政策からの転換に向けた具体的な代案や、地域統合のあり方などが議論されるようになっています。

 第12回会議(2005年)では、ブラジルのルラ大統領が、「大統領に就任してから、サンパウロ・フォーラムが創設された重要性を全面的に認識するに至った」と改めてフォーラムの意義に言及しました。労働党党首だった同大統領は、フォーラムの発足を呼びかけた一人です。昨年の第13回会議では「新自由主義を打ち破る歴史的好機を現実のものとする政治的、具体的、連帯的なあらゆる努力」を強調する宣言を採択しました。

 ウルグアイで5月に開かれた第14回会議の中心テーマは「新しい時代のラテンアメリカ・カリブ海の左翼―多様性の豊かさ」でした。採択された最終宣言は、アメリカの干渉政策の強まりを批判し、地域統合の促進を呼びかけています。この会議には、ラテンアメリカ以外からのオブザーバー参加を含め、30カ国の政党・組織の代表約650人が出席しました。

 日本共産党は93年の第4回からほぼ毎回オブザーバーとして招待され、各党との交流を含め中南米の変革の息吹を直接つかむ努力をしています。(松)

〔2008・6・19(木)〕


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