2008年6月21日(土)「しんぶん赤旗」
イラク軍 サドル師派民兵を攻撃
【カイロ=松本眞志】イラク軍は十九日、マリキ首相の指示に基づき、イラク南部の都市アマラでイスラム教シーア派組織サドル師派民兵マハディ軍に対する「掃討」作戦を開始しました。
ロイター電によると、イラク軍のタレク・アブドルワハブ少将は「作戦は無期限であり、治安を回復するまで軍はアマラにとどまる」と説明しています。アマラはマハディ軍の拠点ともいわれていますが、同軍からの目立った抵抗はないもようです。米軍の援護を受けた警察部隊が民兵の拠点を襲撃しているとの目撃情報も伝えられています。
イラク国防省のモハメド・アスカリ報道官は、カタールの衛星テレビ・アルジャジーラに対して十七人を拘束したと答えています。逮捕者のなかにはアマラ市長も含まれています。
サドル師派の幹部は、拘束された市民らが「無実だ」と主張し、無差別拘束を行わないとするマリキ首相の公約に反するものだと非難。十月の地方選挙で同派の動きを足止めするのがねらいだと作戦の背景について語っています。
サドル師派は、現在交渉中の米軍地位協定にもっとも強く反対している政治勢力で、同協定を国民投票にかけるよう求めています。