2008年6月21日(土)「しんぶん赤旗」
沖縄戦裁判 控訴審勝利を
首都圏の会が1周年総会
「大江・岩波沖縄戦裁判を支援し沖縄の真実を広める首都圏の会」は二十日、東京都内で結成一周年総会を開きました。約百人が参加し、「集団自決」の記述から「日本軍の強制」を削除した教科書検定の撤回や、大江・岩波沖縄戦裁判の控訴審での勝利を目指して、引き続き運動を強めることを確認しました。
総会では、この一年間、沖縄県民とも連帯して、十数回の集会や学習会、七回にわたる文部科学省への要請を行い、宣伝や署名活動、裁判の傍聴や支援など積極的な活動で情勢を動かしてきたことが報告されました。
大阪の「大江・岩波沖縄戦裁判支援連絡会」から、二十五日に開かれる控訴審の第一回口頭弁論に向けて、大江さんらが勝訴した一審判決を維持するよう求める署名活動への協力が訴えられました。
教科書執筆者の坂本昇さんは、教科書協会が文科省の教科書検定審議会に対し、執筆者にも検定についての守秘義務を課すよう求めたことを批判。「これでは執筆者が情報交換をすることさえできない。私たちの運動で検定審議の透明性を高めてきたことに逆行するものだ」とのべました。
フォトジャーナリストの森住卓さんが、辺野古の新基地建設問題や沖縄戦「集団自決」の実相についてスライド上映を交えて講演しました。
同首都圏の会は、教科書検定や裁判で「集団自決」の実相をゆがめる動きが進んでいることに対して、真実を伝えようと昨年六月に結成されました。歴史教育者協議会の石山久男委員長、作家の井上ひさしさんらが呼びかけ人となっています。