2008年6月21日(土)「しんぶん赤旗」
地すべり土砂7000万立方メートル
4学会が現地調査報告会
「岩手・宮城内陸地震」の被害現地を合同で調査してきた土木学会、地盤工学会、日本地震工学会、日本地すべり学会の四学会は二十日、東京都内で調査結果の速報会を開きました。会場には、研究者など四百五十人あまりがつめかけ、報告に聞き入りました。
この日、報告されたのは地震発生翌日の十五日から十八日にかけて調査してきた内容。建物や橋の被害、地すべりや土石流、ダムや河川のせき止めなどについて、それぞれの専門家が、生々しい被害の実態をとらえた写真とともに語りました。
日本地すべり学会の宮城豊彦・東北学院大学教授は、宮城県栗原市の荒砥沢(あらとざわ)ダム上流の地すべりですべった土砂の量が、当初推定したよりさらに多く、約七千万立方メートルにのぼるとみられるとの推計結果を紹介しました。日本で起きた地すべりの中でも最大規模だといいます。
さらに、地震の被害を受けた地域にはこれまでに約千カ所の地すべり地形が存在することが知られていたと指摘。地すべりが起きた場所などでは、今後も地すべりなどが起こる危険性が高いとして、立ち入りは非常に注意を要すると呼びかけました。