2008年6月23日(月)「しんぶん赤旗」

米欧石油大企業

イラクと開発契約へ

議会承認・入札なく受注

米紙報道


 【ワシントン=鎌塚由美】米紙ニューヨーク・タイムズ(十九日付)は、欧米の石油大手四社が近くイラク政府と石油開発の契約を結ぶと伝えました。


 イラク石油省、石油会社、米外交筋の話として同紙が伝えたところでは、米エクソン・モービル、英とオランダのロイヤル・ダッチ・シェル、英BP、仏トタルがイラク石油省と最終的な協議を行い、三十日に契約が発表されるといいます。契約は「業界には珍しい入札なしの受注」で、中国、インド、ロシアを含む四十企業からも契約の申し出がありながら、これら欧米大手との契約が結ばれたといいます。イラク石油省によると、これらの企業は過去二年にわたりイラクに無償で助言してきたからだといいます。

 同紙は、今回の契約は一、二年の短いものだが、これらの企業の「将来的な入札に弾みをつける」ものとなると指摘。中東石油開発の専門家は同紙に対し、今回の契約はこれらの企業にとって、今後のイラクでの開発の「足がかり」となるものだと語りました。

 イラクでは昨年二月に「石油法」が閣議決定されましたが、今後三十年の石油開発利益を多国籍企業に明け渡すものだとして、イラク議会が未承認のままです。外資との石油契約は三十六年ぶりで、同紙は「石油法」が承認されない中で「法的行き詰まりを避けるため」の契約だと指摘する専門家の声を紹介しています。



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