2008年6月24日(火)「しんぶん赤旗」

皇軍美化の「慰霊祭」

自衛隊強行 赤嶺議員ら抗議


 沖縄戦の犠牲者を追悼する「慰霊の日」の二十三日明け方、当時沖縄に配備された第三二軍の牛島満司令官らをまつった糸満市摩文仁(まぶに)の「黎明(れいめい)之塔」で、自衛隊による「慰霊祭」が強行されました。同塔の敷地内では沖縄県平和委員会や日本共産党の赤嶺政賢衆院議員らが「自衛隊は皇軍美化の慰霊祭をやめよ 自衛隊による沖縄戦の史実改ざん糾弾」とする横断幕を掲げて抗議しました。

 まだ暗い午前五時すぎから、制服に身を包んだ自衛官らが献花、参拝して「慰霊」しました。県平和委員会によると参加したのは、陸上自衛隊第一混成団の団長、同広報室渉外担当ら十四人です。五時四十分すぎ、桑江良逢・同団初代団長が献花すると、自衛官らは直立不動で見守りました。

 「慰霊祭」の中止を申し入れていた県平和委員会の大久保康裕事務局長(45)は「軍隊は住民を守らないというのが沖縄戦の本質だった。県民を守るどころか、『国体護持』のため。その第三二軍を顕彰する塔で自衛隊が『慰霊祭』を行うのは史実をねじまげるものだ」と厳しく批判します。

 自衛官らは県平和委員会などの抗議に対して「私的なことだ」と繰り返しました。

 自衛隊の「慰霊祭」をめぐっては、一九七〇年代に千人規模の「行軍」まで行い開催し、住民の強い反発を受けその後中止されていました。二〇〇四年から再開され、今年は、昨年にくらべ参加者が半減しました。



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