2008年6月26日(木)「しんぶん赤旗」
論戦貫いた156日間
日本共産党と第169通常国会(4)
農業問題
減反政策の撤回迫る
「農業をやめようと思っていたが話を聞いて元気がでた」(栄町・六十五歳男性)、「現在、農業を続けていくには誇りが必要だ。世界的な視野にたった話に新たな誇りを持つことができた」(香取市・五十六歳男性)
日本共産党の志位和夫委員長が報告をした千葉県香取市の農業シンポジウム(二十一日)では、党が三月七日に発表した「農業再生プラン」に対する共感の声が数多く寄せられました。
世界的規模で食料価格の高騰が激しさを増すなか、日本の農業と農村を崩壊の危機にさらし、国民の食料に対する不安を広げてきた政府・与党を、共産党の各議員は国会でも厳しく追及しました。
「価格保障を」
福田康夫首相は国連の食料サミット(三―五日)で、「食料自給率(現在39%)の向上を通じ、世界の食料需給安定に貢献する」と表明しました。
これに対し、紙智子議員は、農家には減反を押し付ける一方、輸入米の在庫が百五十二万トンに達していることを指摘。自給率向上をいうのであれば減反をやめるべきだと迫りました(九日、参院決算委員会)。
福田首相は答弁に立てず、世界に向けた公約が看板倒れだったことを露呈しました。
紙氏は、減反政策の背景に、米の価格を市場任せにしてきた問題があることを明らかに。米の価格保障を廃止し、政府米の買い入れ価格も一貫して生産コストより低く抑えてきた結果、生産者の95%が採算割れになっている実態を突き付けました。(グラフ)
「価格保障制度を導入すれば、無理な減反をせず安心して米づくりができる」と迫る紙氏に対し、ここでも福田首相は財政再建を理由に消極的な姿勢を示しました。
減反に固執する政府の姿勢を象徴的に表したのが、東北農政局作製の「米の作りすぎは、もったいない!」「資源のムダづかい」というポスターです。
「生産調整に向けた、真剣な姿勢の表れだ」と強弁する若林正俊農水相に対し、高橋千鶴子議員は「農家の誇りを踏みにじるもので、断じて許せない」と撤回を求めました(二月二十八日、衆院予算委分科会)。
高橋氏は、こうしたキャンペーンの裏に、強引に減反達成を迫る農水省の意向があると指摘。過剰生産県に対して、「各種補助事業、融資で不利な取り扱いなどペナルティー措置を講じる」などと脅し、実行の“連判状”まで出させていたことを明らかにしました。
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投機への規制
現在、食料高騰問題の解決も待ったなしの政治課題です。
吉井英勝議員は、高騰の一因となっている投機マネーの規制を繰り返し政府に求めました(四日、衆院内閣委員会)。
政府は投機の影響を認める一方、具体策については「考えあぐねている」(大田弘子経財相)、「有効な手段を持っていない」(町村信孝官房長官)と答弁。吉井氏は、昨年のハイリゲンダム・サミットで、国際的な共同による投機マネー規制の呼びかけに日本が反対したことをあげ、北海道洞爺湖サミットでは議題とするよう求めました。(つづく)