2008年6月27日(金)「しんぶん赤旗」
原爆症
全面解決一刻も早く
厚労省に 共産党が申し入れ
日本共産党被爆者問題委員会(責任者・小池晃参院議員)は二十六日、舛添要一厚生労働相あてに、原爆症認定問題の全面的な解決を求めて申し入れました。小池議員のほか、笠井亮衆院議員、山下芳生参院議員が参加し、同省の西山正徳健康局長が応対しました。
小池氏は、長崎地裁判決が、仙台、大阪の両高裁判決につづき、原爆症認定の新しい「審査の方針」が被爆の実態に見合っていないことを示したとのべ、新方針の積極的認定の対象にならない肝障害の原告などを幅広く認めたと指摘しました。
小池氏は、係争中の訴訟について国が「他の高裁の判断も仰ぐ必要がある」と争いつづける態度をとっていることは、被爆者救済の立場に反する行為だとして、新方針の再改定と、長崎地裁判決への控訴をやめ、一刻も早い問題の全面解決をはかるよう求めました。
西山局長は、「今回の判決では私どもの主張が一部取り入れられた。判決への対応は検討中であり、きょうは申し上げられない」と回答しました。
小池氏が、「他の高裁の判断」について、地裁判決がでても高裁まで争う意味かとただすと、西山局長は「地裁(判決)を全部、高裁にあげるという意味ではない」とのべ、係争中の四高裁の判断だとしました。
小池氏は、「(原爆投下の日の)八月六日、九日が迫り、高齢の原告は命をかけて『この機に解決を』と決意している。党派を超えて政治的決断を求めたい。行政もそれに応えよ」と語りました。