2008年6月29日(日)「しんぶん赤旗」
大漁旗が泣いている
燃油価格補てん要求
松江 漁民300人 緊急集会
「漁業と地域を守るため燃油価格を下げろ」「燃油高騰に対する補てん措置を実施せよ」。会場に漁民の声がこだまします。二十八日、島根県内の漁民ら三百人は松江市に集まり、「燃油価格高騰にかかる島根県緊急漁民集会」を開きました。
大漁旗を掲げた会場を、海の色に模した青色のタオルで鉢巻きをしめた漁民らが埋めました。
燃油高騰は漁業経営を直撃しています。A重油は一リットルあたり百四円六十銭で〇三年の二・六八倍、軽油は同百七円四十銭で同二・四四倍。魚価は競りなどで決まるため高騰分は転嫁できず、魚価も低迷しています。
集会では、岸宏JFしまね燃油価格緊急対策本部長が「高騰がこのまま推移したら座して死を待つしかない。国民食料の安定供給を歯を食いしばってでもやっていくのが我々の使命」と、一糸乱れぬ団結での燃油への補てんを求める運動を呼びかけました。
意見発表で、県小型機船漁業協議会会長の吉田敬治さんは「このまま推移すれば小型底引きは存亡の危機に直面し、乗組員が去っていくかもしれない」と訴え、県巻き網漁業協議会副会長の平木操さんは「多数の乗組員を雇用している。経営が維持できなくなれば地域社会が崩壊する」と話しました。
集会は、燃油価格に対する補てん措置や燃油の量的確保を求める決議を満場の拍手で採択しました。