2008年6月30日(月)「しんぶん赤旗」
人権無視の実態次々
滋賀 志位委員長 派遣労働者らと懇談
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志位和夫委員長を先頭にした日本共産党の調査団が二十九日、滋賀県長浜市の長浜キヤノンの労働者派遣の実態を調べるため、滋賀県入りしました。同社の調査に先立ち、非正規雇用問題にとりくむ滋賀県労連や滋賀青年ユニオン、県内の民間企業の労働者らと彦根市で懇談しました。
懇談で志位氏は、「労働者のたたかいと国会での追及により、労働者派遣が規制緩和から規制強化の流れになり、大手製造現場でも派遣労働者をなくしていく変化がおきている」と指摘。「しかし、不安定雇用を期間工や請負など別の形態で継続しようとしている」とのべ、「正規と非正規労働者の連帯をどうつくる努力をしているのか聞かせてほしい」と語りました。
志位氏は、参加者に熱心に質問。「エンジン部品をつくる三人一組の勤務で、夜中の零時半から朝八時までの勤務は派遣社員だけ三人でやっている」(機械製造)「派遣会社に四日勤めて辞めたが、四日分の賃金は二万八千円なのに、寮費やテレビなどのリース代など五万円余かかったと二万円を請求された」「暮らしていけず給料を前借りしたら手数料として10%の利子を請求された」(労働相談センターに寄せられた相談)など派遣労働の深刻な実態がだされました。
「正社員だけでなく派遣労働者の労働条件もとりあげ、派遣の時給七十円アップを実現した」(JMIU=全日本金属情報機器労組メタルアート支部)「『派遣労働者を乗せたバスを見たよ』などみんなで情報を集め、宣伝を計画している」(青年ユニオン)など連帯のとりくみが報告されました。志位氏は「非正規の問題は一刻も放置できない大問題。連帯をどうつくっていくか大いに探求したい」と力を込めました。
調査は三十日まで。志位氏は正社員を派遣労働者に大規模に置き換えている実例の一つとして、長浜キヤノンを衆院予算委員会での質問(二月八日)でとりあげ、大きな反響を呼びました。質問後に同社で期間工への切り替えが行われ、請負労働者の募集もされていることから、現況を調べようというものです。
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