2008年6月30日(月)「しんぶん赤旗」
刀剣審査不正 佐々木議員指摘
政府が認める
日本共産党の佐々木憲昭衆院議員が提出していた、財団法人「日本美術刀剣保存協会」(佐々淳行会長)執行部による刀剣審査等の不正疑惑に関する質問主意書に対し、このほど政府の答弁書が送付されました。
佐々木氏は、文化庁が行った同協会への実地検査の概要を求めるとともに、(1)協会の現職常務理事や課長の指示による不正な審査受付(2)架空の名義(幽霊会員)による審査申請の実態(3)協会の内部規定に反する「非会員」からの申請(4)現職常務理事による申請書・発表用ゲラ改ざん疑惑―などについて、具体的事例をあげてただしました。
政府は、これらの指摘を全面的に認めました。
さらに、今年二―三月の刀剣審査においても受付期間外の申請を不正に受け付けていた▽審査手続きの途中で申請者名が変更されている▽申請者が同一住所であるにもかかわらず異なる姓名が記載されている(幽霊会員の存在)▽協会の回答に反し「非会員の全員が会員となっていない」―など、新たな不正事実を明らかにしています。
問われる協会
刀剣は協会の審査で上級ランクに指定されれば一本数千万円相当に価格が跳ね上がることがあります。このため、審査が特定の者の「判断」によらず、透明かつ公正であることがいっそう求められています。
今回、政府も認めざるを得ないほどの不正行為が明らかになっただけに、公益法人としての協会のあり方が根本から問われています。それだけに、「調査の結果を踏まえて適切に対応していきたい」(渡海紀三朗文科相、二月二十八日予算委)と言明した政府の厳正公正な対応が求められます。