2008年7月1日(火)「しんぶん赤旗」
人員削り民間まかせ
社保庁解体最終報告
公的年金の責任放棄
社会保険庁の年金業務を引き継ぐ「日本年金機構」について政府の年金業務・組織再生会議(座長・本田勝彦日本たばこ相談役)は三十日、最終報告をまとめ、渡辺喜美行革相に提出しました。
年金記録問題解決のめどもたたないのに人員を四割も削減し、大規模な民間委託をすすめるなど、記録管理の公的責任を投げ捨て、公的年金制度を危うくする内容です。
発足時の職員は一万七千八百三十人。非正規労働者が四割を占めます。記録問題は「外部委託や有期雇用で対応すべき」だとして正規職員は現行より17%減。外部から千人を採用するため、社保庁から移る正規職員は現行より三千二百人減です。
申請から適用、保険料の徴収・免除、相談までばらばらで委託。競争入札で業者も職員も入れ替わり、安定した業務運営はできない仕組みです。
有期雇用は解雇しやすいように雇い止め予定の採用枠(千四百人)を設け、「懲戒処分」などを受けた職員は正規職員に採用せず、有期雇用でも当初は一年契約とし退職金も減額。人員不足にもかかわらず、企業が変わっても雇用は引き継ぐという働くルールも無視して選別採用をすすめる内容です。
日本年金機構は二〇一〇年発足の予定。同じく社保庁から健康保険業務を引き継ぐ「全国健康保険協会」は十月発足します。
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