2008年7月1日(火)「しんぶん赤旗」
スーダンに自衛官
首相、国連総長に派遣表明
福田康夫首相は三十日、都内で潘基文国連事務総長と会談し、スーダン南部に展開している国連派遣団(UNMIS)司令部に自衛官を派遣する方針を表明しました。
実施されれば、日本のアフリカでのPKO(国連平和維持活動)参加は、モザンビーク(一九九三―九五年)、ザイール(現コンゴ民主共和国=九四年)以来となります。
当初、政府は陸上自衛隊の部隊派兵を検討してきましたが、治安情勢などから断念しました。しかし、福田首相は五月末、来日したスーダンのバシル大統領に施設部隊派兵を打診しており、今後も派兵の可能性を探るものとみられます。
UNMISは二〇〇五年三月に、軍事行動も規定する国連憲章第七章に基づく安保理決議一五九〇により設立が決定。二十年を超える内戦が続いてきた同国の南北包括和平合意(同年一月)の履行支援などを任務にしています。今年五月末現在で、約八千七百人の軍兵士をはじめ、合計約九千九百人の要員が活動しています。外務省も職員一人を派遣しています。
政府は、自衛隊派兵の要件となる停戦合意などのPKO五原則を満たすことができると判断していますが、UNMISの活動で、四月末現在で三十五人の死者が出ています。