2008年7月2日(水)「しんぶん赤旗」
農漁民へ直接支援を
共産党、政府に要請
原油高 実効ある対策必要
急騰する原油や原材料の価格高騰が農業、漁業、中小企業や家計を直撃しています。日本共産党国会議員団は一日、政府が先にまとめた原油など価格高騰対策について説明を受けるとともに、農漁民への直接補てんを含めた対策を求めました。
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申し入れには穀田恵二国対委員長、吉井英勝原油高騰対策委員会責任者や佐々木憲昭、塩川鉄也、高橋千鶴子、笠井亮の各衆院議員、井上哲士、紙智子、山下芳生、仁比聡平の各参院議員が参加しました。
政府の対策は六月二十六日の緊急対策関係閣僚会議でまとめたもの。中小企業対策、業種別対策などが柱です。
紙氏は「漁に出ただけ赤字になる」などイカ釣り漁民から聞いた現状にふれ、「漁業組合などへ直接補てんすることで、燃油の価格を下げるべきだ」と述べました。水産庁側は「省エネが問題になっているときに、燃油価格を下げるような対策は取れない」と答えました。
これに対して紙氏は、「省エネを理由に水産業をつぶすような立場でいいはずがない」と批判し、重ねて直接補てんを迫りました。
高橋氏は「政府の対策は農業経営の高度化を支援する内容だが、実際の農家はコメの乾燥に必要な重油にも困っている。減税などを視野に入れるべきだ」と述べました。
政府の対策はクリーニング業について「原油などの価格上昇分の転嫁などについて利用者に対して周知する」としています。仁比氏は、「価格転嫁を知らせるポスターを作るお金があるなら、直接支援したほうがよっぽどましだ」と支援策を求めました。
塩川氏は、政府の対策にある、生活困窮者に対する灯油などの購入費の助成など国民生活への支援は当然だとした上で、「特別交付税などを活用しても、自治体任せでは財政力に差がある。国として支援の姿勢をはっきりさせてほしい」と述べました。
吉井氏は「石油市場の価格要因分析が対策に入っているが、国の『資源エネルギー白書』は、半分は投機資金によるつり上げだとはっきり述べている。サミットで投機資金の規制について提起をすることが議長国の役割だ」と指摘しました。
穀田氏は「もっとも困っているところに届くような緊急対策を、実情をふまえてつくってもらいたい」と実効ある対策を政府に求めました。