2008年7月4日(金)「しんぶん赤旗」
価格暴走
印刷業・トンカツ屋・クリーニング店 どこも大打撃
国は弾力的支援を
全商連・全労連が申し入れ
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「車でなければ印刷物の納入はできないのに、ガソリン代が高騰。大手製紙会社は紙代をいっせいに大幅値上げ。われわれ零細印刷業者は赤字で仕事をしている。なんとかしてほしい」。原油関連資材高騰で零細業者らが三日、経済産業省と中小企業庁に訴えました。
緊急要請交渉を行ったのは、全国商工団体連合会(全商連)と全国労働組合総連合(全労連)。
交渉では、全商連の鎌田保副会長が「このままだと多くの中小・零細業者が廃業に追い込まれる異常な事態。通常でない措置をとってほしい」と要請。不況業種として指定された業者が金融機関から借り入れる際に信用保証協会が優先的に保証をつける「セーフティネット保証」の弾力的運用などを求めました。
中小企業庁担当者は、セーフティネット保証の対象は、省庁内の内部基準と業界ごとの調査により決定している、予算もかかるなどとして、要請を拒否。業者らは「まちのトンカツ屋さんは、油も小麦も肉も値上がりしているが、どの業界にも声が反映されず、対象にならない」「クリーニング業界では溶剤などの材料価格は零細業者では三倍にあがっている。中小・零細企業ほど打撃は大きい」などと実情を訴えました。
全労連の代表は、「トヨタなど製造業大手は『原価低減』というが、下請け中小企業に単価削減を押し付けるということ。単価減と原材料高で中小企業の経営は大変な事態。現状をどう考えているのか」と、実態の厳しさに即応しない政府の姿勢を批判しました。