2008年7月4日(金)「しんぶん赤旗」
追及 燃料高騰
政府に対策を要求
トラック 450万台がスト
インド
【ニューデリー=豊田栄光】インドでは二日、高騰する燃料代引き下げを求めて全土でトラック四百五十万台がストライキを始めました。
西部の港湾都市ムンバイでは陸揚げ荷物の輸送が大幅に停滞、首都ニューデリーでは幹線道路沿いに多数のトラックが停止しました。
南部チェンナイでは約千台のトラックがクラクションを鳴らしながら市内をデモ行進しました。
政府は、石油価格を抑えるために補助金を支出してきましたが、あまりの高騰に耐え切れず、六月に約10%の値上げに踏み切りました。
採算割れ業者も出現し、陸上輸送の業界団体が今回のストを呼びかけました。
政府は業界団体との交渉で、「石油価格値下げは不可能」と主張する一方、物資輸送にかかるサービス税軽減の検討を始めました。
インドでは陸上輸送の75%がトラックによるもので、供給不足による食料品などの高騰が懸念されています。ストによる経済損失は一日につき百五十億ルピー(約三百六十七億円)との試算もあります。
運転手ら抗議 道路封鎖
英国
【ロンドン=岡崎衆史】英国で二日、約二百三十台のトラックがロンドン市内に入る幹線道路の一部を封鎖し、燃料の高騰に抗議しました。運転手らは政府に燃料税の引き下げを求めています。
そのうち二十台が警察車両の先導で市中心部に入り、国会議事堂前近くでクラクションを鳴らすなどして政府と議会に対応を迫りました。
四月にいったん燃料税の引き上げを延期した政府は、十月にもさらに延期するとしています。ただ、引き下げについては税収減による影響がでるとして難色を示しています。
約一万の運送業者を傘下に置く「道路運送業協会」は、政府が燃料引き下げに応じなければ、今後山猫スト(正規の手続きなしのスト)が発生することになると警告しています。同協会はまた、英国の燃料税は他のフランスやドイツなど欧州諸国よりも高く、業者は苦しい立場に置かれていると政府を批判しています。