2008年7月7日(月)「しんぶん赤旗」
“米、クラスター弾使用”
バグダッド市民死傷
聖職者が告発
5月に禁止条約採択 国際会議
【カイロ=松本眞志】イラクのイスラム聖職者協会(スンニ派)は四日、米軍が首都バグダッドでクラスター(集束)爆弾を使用し、市民が死傷したと非難しました。クラスター爆弾は、爆発時に多数の子爆弾をばらまき、その多くが不発弾となって子どもを含む非戦闘員も犠牲にする非人道兵器です。
同協会の電子サイトによると米軍は二日、バグダッドのアラメル地区で砲撃を実施し、クラスター爆弾を使用。このとき市民の家屋が破壊され、一人が死亡、九人が負傷したといいます。
聖職者協会は「クラスター爆弾使用という米軍のイラク市民に対する継続的犯罪を告発する。米軍の行為は市民が安全に生活する基本的権利を侵害するものだ」と告発。イラク政府に対しても、交渉中の米軍地位協定を締結すれば、米軍の犯罪の責任を負うことになると警告しました。
クラスター爆弾については、今年五月に百カ国以上の政府が参加してアイルランドで開かれた国際会議が、日本を含む全会一致で禁止条約案を採択したばかりです。
米国は主要保有国でありながら、ロシア、中国などとともに条約には不参加。クラスター爆弾の禁止を望む世界の多数の声に背を向けています。
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