2008年7月8日(火)「しんぶん赤旗」

貿易自由化は飢餓加速

食料主権 確立こそ

内外の農民組織が討論


 飢餓・食料危機の解決方向をさぐる集会が七日、札幌市で開かれ、地産地消や産直をすすめる農家の共同こそが解決する道につながると討論しました。


 世界的な農民組織で「食料主権」を提唱してきたビア・カンペシーナ(農民連も加盟)や全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)が開いたものです。

 バングラデシュ農民組合代表のバドラル・アラル氏は、飢餓人口がアジアを中心に十億人に増えていると指摘、「農地の生産性が高いアジアの人がなぜ飢えるのか」とのべ、貿易利益本位の農産物自由化の新自由主義を批判。「このやり方は地球環境悪化、破滅に導く。食料自給を高める食料主権の方向にすすもう」と訴えました。

 タイの農民組織のカシム・カーサ氏も、家族農家切り捨て政策を批判し、農地、森、水、種子を耕作する農民に与えよと訴えました。

 「食料主権をどう広めたらよいのか」との問題提起がありました。農民連常任委員の坪井貞夫さんは、産直や米屋さんを仲介した準産直の運動を紹介。スペイン・バスク地方の労働者は、農村が不安だと話し、食健連のような農民と都市住民を結ぶ組織が重要だと語りました。

 有機農法で茶畑を二ヘクタール余り栽培して直売や農家民宿をしている鹿児島県の宮原千春さんが発言しました。宮原さんは農民連の会員の野菜も販売しています。「日本も私のような小規模農家に補助金を出さない。私は有機農業で、農民連に人の分も自信をもって販売できる。小さな農家も五、六軒集まったら生き残れる」と報告しました。この発言に、集会後、イギリスの青年や日本の大学生が「感激した」と宮原さんを囲みました。


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