2008年7月9日(水)「しんぶん赤旗」
労災で指導604事業所
小池参院議員の質問主意書に回答
具体内容公表せず
非正規雇用が増大し、下請けも含め重大労災事故の死傷者数が増えているなか、労災事故を起こした場合に一年間継続的に監督指導を受ける「安全管理特別事業場」が、〇六年度六百四カ所にのぼることが、小池晃参議院議員の質問主意書への回答で分かりました。
この制度は労働安全衛生法第七八、七九条に基づき、都道府県労働局が「労働災害の防止を図るため総合的な改善措置を講ずる必要があると認めるときは、…事業者に対し、当該事業場の安全又は衛生に関する改善計画を作成」する指示ができるものです。しかし指導結果の報告は労働災害の被害の実態のみで、個々の是正の具体的内容の公表はしていません。
また主意書では、死亡労災事故等の事故原因や指導内容の説明を、遺族が労働基準監督署に求めたさい「そのような説明はしていない」との対応があったとして「遺族に対して…事故原因等明確になった内容を説明すべきだ」と質問したのに対し「行政機関の保有する情報公開に関する法律に基づき、遺族から開示請求があれば、公にすることにより事業者の権利、競争上の地位その他利益を害するおそれがある情報を除き、開示している」と答えています。
小池議員は「労働の安全管理上特別に指導が必要な事業場が六百を超えていることは重大です。死亡事故原因等の遺族への原因説明より企業利益が優先されることも問題で、災害根絶へ向け、より具体的な情報公開が必要です。当該企業や労働行政の社会的責任が問われます」と話しています。