2008年7月9日(水)「しんぶん赤旗」

「漁民は命かけ働いている」

漁の灯 消すな

燃油高 「国の支援を」

西日本有数の漁港 鳥取・境港


地図

 「A重油一リットル八十円が採算ベース。それを超える部分は公費助成しかない」。日本共産党の錦織陽子鳥取県議と定岡敏行境港市議と対話した、境港の水産業界のある幹部はこう断言しました。

 境港はかつて日本一の漁獲量を誇った西日本有数の漁港です。生マグロ、カニの水揚げが全国一位、漁獲の中心のマイワシ、アジ、サバは鮮魚、干物、養殖魚の餌と用途は多い。それが燃油高騰のために未曽有の危機を迎えています。

 鳥取県漁協境港支所の景山一夫支所長(県漁協副組合長)は、一リットル百二十円を超え、さらに値上がりを続けるA重油に対し、「自助努力の限界を超えとる。投機マネーを回収する手だてを取らないとやっとれん」と、漁業仲間の生活を思いやりました。

 同市では、イカ釣り船組合の組合長が船を手放し廃業するという事態が起きています。廃業できる漁業者はまだましです。多くの漁業者が船購入などの借金をかかえ、廃業もできずに苦しんでいます。

 「おれらの代で終わりだで」。景山副組合長は後継者のいない現状を憂いました。

 境港商工会議所でも門脇興治専務と柏木洋二事務局長が取材に応じてくれました。

 柏木氏は、原油高騰に手を打てない政府のやり方を批判、「命をかけて働いている漁業者が報われない。食料安保のこともある。食料は国の責任でなんとかするのが当然だ」といいます。

市議補選13日投票

 境港市では、十三日投票で市議補選がたたかわれています。定数二に三人立候補の少数激戦。日本共産党の松尾好行候補(65)が「境港から漁業の灯を消してはならない」と訴え連日奮闘しています。

 松尾候補は二日、水産庁と交渉し、燃油代直接助成を強く要請したのにたいし、同庁の担当者は「漁業危機は認識している」と答えました。

 境港で三十三年間、魚群探知機、集魚灯、無線などの販売・修理を手掛けてきた松尾候補。最近、水産会社の漁労長だという市民が、ビラを見て松尾候補と同じ下関高校出身だとのべ「応援したい。共産党に入れるのは初めてだ」といって、支持を広げたいと申し出たといいます。

 「父ちゃんは海から母ちゃんに電話して、母ちゃんが漁師仲間に声をかけてくれとる」。漁船の船長たちの、松尾候補への熱い期待の声が聞こえてきました。

(鳥取県・岩見幸徳)


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