2008年7月15日(火)「しんぶん赤旗」
原油高騰
投機根絶 措置求める
中米カリブ首脳 市場当局に勧告
【メキシコ市=島田峰隆】産油国ベネズエラが中米カリブ海諸国に優遇条件で石油を供給する地域機構ペトロカリベの首脳会議が十三日、同国北西部マラカイボで開かれました。会議は、原油価格高騰を止めるために、市場当局に対して投機を根絶する「必要な措置」を取るよう勧告する宣言を採択しました。
中南米全体のテレビ局テレスルによると、宣言は「国際価格の投機的要因を根絶できるように必要な措置を取ることを管理当局に奨励する」と強調しています。加盟国の農相評議会を設け、食料安全保障基金をつくることも決めました。
ドミニカ共和国のフェルナンデス大統領は発言で、一バレル二百ドルに迫ろうとする原油価格の高騰は「忌まわしい無規制の市場の結果だ」と指摘。「無規制の金融資本主義とたたかうことを提案する」と述べました。
ベネズエラのチャベス大統領は、原油価格高騰の真の原因は「資本主義的投機、イランへの脅迫、イラク戦争、中東やベネズエラへの脅迫だ」と強調。相互協力を強めて「ペトロカリベを反飢餓の盾にしよう」と語りました。
同大統領は、北海道洞爺湖で開かれた主要八カ国首脳会議(G8サミット)を、産油国を批判する一方で「自らの消費主義モデルを問うことさえしなかった」と糾弾しました。
会議は、石油代金の支払い方法について、今後は代金の四割を三カ月で支払い、残金を二十五年で返済するというベネズエラの提案を確認。これまでは三カ月で代金の半額を支払う形でした。
会議は中米グアテマラの加盟を承認しました。これにより構成国は十八カ国になりました。報道によるとコスタリカも加盟を希望しています。今回の会議にはコスタリカの外相がオブザーバーとして出席しました。