2008年7月18日(金)「しんぶん赤旗」

契約店長の過労死認定

すかいらーく 残業200時間超


 大手外食チェーンのすかいらーく(本社・東京都三鷹市)の契約社員だった店長が脳出血で死亡したのは過労死だったとして、埼玉県春日部労働基準監督署が労災認定しました。遺族らが十七日、記者会見して明らかにしました。

 非正規労働者の店長が過労死で労災認定されるのは異例です。

 労災認定(六月十三日)されたのは前澤隆之さん=当時三十二歳=。一九九一年十月にアルバイトとして入社し、二〇〇六年三月から一年ごとの契約社員として埼玉県の栗橋店店長になりました。午前七時に自宅を出て翌朝三時に帰宅する長時間労働と店長の重責を課せられながら、年収は手取りで二百数十万円でした。

 前澤さんは昨年十月十日に店で腹痛を訴えて入院し、同十八日に死亡。会社のタイムカードは月四十時間程度の残業しか記録していなかったため、遺族らが独自に調べ、倒れる直前三カ月の残業は平均月二百時間を超えていたことを明らかにしました。

 会見で母親の笑美子さん(59)は、「同じようなつらいことが起きないように声を上げることが残された遺族の使命だと思います」とのべ、妹の美保さん(30)は、「今悩んでいる人は誰かに助けを求めてほしい」と涙ながらに語りました。

 同じく店長だった夫を〇四年八月に過労死で亡くした中島晴香さん(52)も同席し、「会社は業務改善を約束したのに今度は若い命が奪われた。本当に二度とこんなことがないようにさせたい」とのべました。

 遺族らは、同社に謝罪と補償、再発防止を求めて団体交渉を申し入れます。



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