2008年7月20日(日)「しんぶん赤旗」

後期高齢者医療

保険料に抗議殺到

徴収延期自治体で通知始まる


 七十五歳以上を対象にした後期高齢者医療制度で、保険料の年金からの天引きを延期した全国三十一市区町村でも、今月中旬から保険料額の決定通知と納付書が届き始めました。そのほとんどで十月から年金天引きが始まります。

 十八自治体が延期していた東京都では、区役所などに抗議が殺到。渋谷区役所では問い合わせが続いたため、土日も窓口をあけて対応しています。

 毎月七万―八万円かかる妻の入院費を工面しているという男性(89)=渋谷区=は、福島県で病気入院中の妻(78)の通知が届いたことに驚き、根拠をただしに区役所を訪れました。「妻の年金はゼロなのに保険料が発生する。払いたくても払えない。所得のない人には課税しないのが当たり前の原則だ」と話します。法律のコピーをもらいましたが、納得できません。

 大田区でも、通知を見たお年寄りが区役所に詰め掛けています。窓口では、「夫婦二人で十一万円もあがった」と泣き出す女性も。

 男性(79)は「年寄りは先がないから金はかけられないというやり方だ。即刻廃止しないと(気持ちが)収まらない。一生懸命働いてきて、気がついたら七十九歳になっていた。国民全体の問題だ」と話します。

 新宿区では十九日、日本共産党新宿地区委員会が同制度の廃止を求めて宣伝行動をしました。訴えを聞いていた男性(86)は「保険料があがった。払えなければ保険証がとりあげられる。共産党が一生懸命いっているように廃止するしかない」と語りました。



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