2008年7月20日(日)「しんぶん赤旗」
医療崩壊 声上げ防げ
民医連シンポ 「再生」に向け討論
全日本民主医療機関連合会(鈴木篤会長)は十九日、東京都内で、「崩壊の危機にある日本の医療・介護制度『再生』に向けて」と題するシンポジウムを開きました。医療関係者ら約四百五十人が参加しました。
シンポでは、済生会栗橋病院副院長の本田宏さん、慶応大学教授の権丈善一さん、立正大学教授の浦野広明さん、北海道勤医協理事長の堀毛清史さんが報告者として発言。全日本民医連の「医療・介護制度再生プラン(案)」をめぐって討論しました。
本田さんは、「医療崩壊を防ぐには、医療現場から、みんなが実態を国民に知らせるために声を上げないといけない」と強調。財政危機の原因が医療費増にあるかのように描く「政府の情報操作」に打ち勝つ必要性を力説しました。
権丈さんは、米国のような私的医療保険による医療費支出はいやだが、日本のような公的医療保険による医療費支出なら、「所得にかかわりなく同じ医療を受けられる」ので賛成だとのべ、その充実を訴えました。
浦野さんは、税制改革では憲法が税の取り方で「応能負担の原則」を求めていることを強調。堀毛さんは、北海道各地の病院が次々と閉鎖される中、「お産もできない町に私たちは住めるのか」という住民の声が出ている実態を紹介しました。
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