2008年7月21日(月)「しんぶん赤旗」

原油高騰被害

直接補てん必要

NHKで小池氏 「投機に無策」


 日本共産党の小池晃政策委員長は二十日、NHK「日曜討論」に出席し、原油高騰や物価高への対策、経済・財政運営のあり方などを各党代表と討論しました。このなかで小池氏は、原油高騰対策で「投機マネーの被害を受けている人々への直接補てんをすべきだ」と主張しました。


 小池氏は、北海道洞爺湖サミットでは温室効果ガス削減の中期目標も示されず、原油や食料高騰の要因とされる投機マネーについても懸念を表明するだけで手だてが打たれなかったと指摘。「国際的規制に一歩も踏み込まない福田内閣の姿勢が問われている」と述べました。

 小池氏は、全漁連(全国漁業協同組合連合会)や大日本水産会との懇談で、原油高騰でいっせい休漁に追い込まれた漁業関係者から「自助努力も限界」との声が出されたとし、「投機マネーによる高騰なのだから(漁業者には)なんの責任もない。直接補てんに踏み出すべきだ」と求めました。また、農業、中小企業、福祉・教育関係などに対しても直接補てんで支援するよう求めました。

 小池氏は、国民の生活不安の根底には小泉「構造改革」による弱者切り捨ての政治があると指摘。「社会保障、雇用、農業をしっかり支え、暮らしの底上げをしていくことが重要だ」とし、社会保障の負担増路線からの転換、不安定雇用から正規雇用への転換、農業では農産物の価格保障を実施すべきだと訴えました。米軍などへの無料給油を続ける新テロ法の延長ではなく、「国民の暮らしにこそ給油が必要だ」と述べました。

 公明党の高木陽介衆院議員は、「いまの段階で、経済を立て直すため方針を検討し直すところはある」と発言。自民党の野田毅衆院議員は、「遠慮なしに改めた方がいい」という一方で、「(消費税増税の)議論から逃げてはだめだ」と述べました。

 小池氏は、「経済対策も歳出削減も中身が問われている」と指摘。大企業支援から家計応援に経済対策の軸足を移し、社会保障抑制の歳出削減ではなく、十年間で五十九兆円を使い切る道路中期計画や四兆八千億円に上る軍事費にメスを入れるべきだと力説し、「こんなときに消費税増税を言いだすこと自体、政権を担う資格がない」と厳しく批判しました。


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