2008年7月23日(水)「しんぶん赤旗」
日本共産党創立86周年記念講演会
党員3首長のあいさつ
22日に開かれた日本共産党創立86周年記念講演会での、長野・南牧村の菊池幸彦村長、兵庫・福崎町の嶋田正義町長、東京・狛江市の矢野裕市長のあいさつ(要旨)を紹介します。(あいさつ順)
高原野菜と酪農 希望持てる村に
長野・南牧村 菊池幸彦村長
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私は、去年の今ごろはレタスやキャベツを作る農家で、まさかこのような場所であいさつするとは夢にも思っていませんでした。
十一月の初当選以来、私は「対話で進めるあったか村政」を信条に多くの村民や団体と話し合い、要望をくみ上げてきました。対話で寄せられた要求はほぼ100%、新年度予算に反映させることができました。とくに子育て支援では、妊婦健診は実質、全額村の負担とし、保育料は二割を軽減し、「もう一人子どもが産める」と喜ばれています。
住民要求の実現のために、不要不急の公共事業を12%削減し、村長給与を30%カットするなど財源を確保してきました。村の予算を福祉の増進にどう使うのか、共産党の村長が試されるところです。
「住民こそ主人公、住民本位の村政」を原点に、住民の知識や技能を吸収し、協働して「希望の持てる村づくり」に全力をあげます。
南牧村は八ケ岳山ろくにひろがる農業と観光の村です。高原野菜と酪農を中心に年間百億円の生産額があります。しかし、飼料や農薬、肥料の値上がりで農業経営は大変な状況です。昨年から今年にかけて、三軒が酪農をやめています。
私たちの村は小さいですが、農業を守り、発展させるために、農家と農協、農業機関、行政が一体となって、農政懇談会を開催しています。安全、安心な農産物は南牧の大地からと頑張っています。
南牧村には、手付かずの大自然があります。さわやかな高原を満喫できます。澄みきった夜空を見上げれば、満天の星がみなさんをお迎えします。ぜひお越しください。
毅然とした態度貫き 清潔な町政
兵庫・福崎町 嶋田正義町長
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昨年十一月に四回目の当選をさせていただきました。選挙を覚悟しておりましたが、無投票で当選させていただきました。
党員の首長に対し攻撃されるのは、国や県とのパイプが細くなるというものです。このパイプはある方がいいですが、もっと大切なのは住民との太いパイプであります。
初当選のとき、公共下水道処理場用地をめぐって千四百人を超える反対署名が提出されていました。しかし用地購入のため、粘り強く話し合いをすすめ、購入までに六年の年月を要しましたが、町民の合意を得ました。町政は幅広く、福祉や教育など他の分野で評価されたのだと思います。下水道工事も目的通りの期日に完成すると思われます。
清潔・公正な町づくりをすすめる上で大切なことは、一つは人事、二つは予算、三つは入札です。どれにもいろいろな声が聞こえてきますが、その時々に毅然(きぜん)とした態度を貫くことが大切です。
町政運営で何が大事かと聞かれれば、情報公開と役場職員の資質向上と答えることにしています。まず住民サービスの向上も、制度をつくり予算を立案するのも、町職員の大きな仕事です。職員が町民の目線に立って行動すれば町政は大きく変わります。また町民には、自律の町づくりをよびかけています。町政に参画してもらうためには、情報公開し、情報を共有してもらうことが不可欠です。
町長は、町民に希望を語らなければならないと思います。人は明日の歴史を切り開いていく力をもっています。私は「憲法を町政に生かすことが希望だ」と話しています。
市民と協働の まちづくりに信頼
東京・狛江市 矢野 裕市長
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一カ月前の市長選で頂いたご支援に心からお礼申し上げます。
今度の選挙では、市民が三期十二年間の実績を信頼し、ビジョンに期待を込めて自分の選挙としてたたかってくれました。特に後期高齢者医療制度の問題で、東京都市長会で大幅な負担軽減の必要性を強く訴えた私の役割を知ってもらうなかで、高齢者や障害者、家族が中心となり、「矢野市政は自分たちの命綱」だと考えて、自主的に支持を広げてくれました。
もう一つは市民との協働によるまちづくりの成果でした。四年前、国の急激な地方財政削減のため行政改革を大きく前進させなければならないと判断しました。市民とともに乗り越えようと行革を進める中でも、まちづくりを停滞させてはならないと、市民との協働を各分野で広げました。
「街の安全」の問題ではボランティアによる学校や地域の巡回パトロールを呼びかけ、犯罪発生件数が四年前に比べ35%も減りました。一月―三月の犯罪発生率が二十三区、多摩二十六市で一番少なく、狛江を東京で最も安全な街の一つにすることができたのです。
市民との協働の力は、ゴミの減量リサイクル、「音楽の街」、「絵手紙発祥の地」の取り組みなどでも発揮されています。
私がくらしを守る先頭にたってきたこと、市民とともにまちづくりを進めたことへの共感があったからこそ、市民は自分たちの市政を守ろうと主権者として行動してくれました。これからも狛江の取り組みが、全国で政治変革を求めて頑張っておられる方を励ますよう全力を尽くすことを約束し、あいさつとします。