2008年7月26日(土)「しんぶん赤旗」
イラク撤退賢明/アフガン増派非難
オバマ氏政策 アルジャジーラ評論家指摘
【カイロ=松本眞志】カタール衛星テレビ・アルジャジーラの政治評論家マルワン・ビシャラ氏は二十二日、米民主党大統領候補に内定しているオバマ上院議員のイラク撤退計画について「賢明だ」と述べる一方、アフガニスタンの米軍増派構想を「賢明でない」と非難しました。
オバマ氏はこの間、アフガニスタン、イラク、ヨルダン、イスラエル、パレスチナを訪問。二十一日にイラクの米軍駐留期限の明確化を呼びかける一方で、二十日にCBSテレビのインタビューでアフガニスタン情勢について「不安定で切迫した状況だ」と語り、旧タリバン勢力復活阻止のための米軍増派を訴えました。
ビシャラ氏は、オバマ議員が「対テロ戦争の中心」と主張するアフガニスタンにイラクから撤退させた米軍を転用するとの考えについて、「実際、ばかげている」と批判。「オバマ氏は、なぜイラク人よりもアフガニスタン人を殺害することが米国にとって安全なのか、どうしてブッシュ/マケインの『対テロ戦争』論を採用することが大統領選挙の勝利につながると考えるのか(有権者に)説明できないでいる」と述べています。
ビシャラ氏はまた、「オバマ氏は、継続する戦争の悪化と拡大に照らして、なぜ域内紛争に安定と和平をもたらすための外交に力を注ごうとしないのかも説明していない」と指摘。「オバマ議員には、イラクと同様にアフガニスタンに対しても、軍事力に依拠しない外交活動による健全で冷静な戦略で対応することが求められている」と強調しました。
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