2008年8月1日(金)「しんぶん赤旗」
学校耐震化 急げ
旧基準改修4割だけ
岩手北部地震調査の高橋議員 “国の施策遅い”
衆院災害特
七月二十四日の未明に最大震度6強を記録した岩手北部地震では、公立学校施設にも被害が出ました。学校耐震化が急がれる中、一九八一年以前に作られた旧耐震基準の建物で耐震化がはかられたのは38・8%にすぎないことが三十一日、分かりました。
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日本共産党の高橋ちづ子衆院議員が、衆院災害対策特別委員会で明らかにしたもの。高橋氏は、国の責任で学校耐震化を早急に進めるよう求めました。
文部科学省は六月二十日、全国公立小中学校施設の耐震調査の結果を発表しました。これによると、小中学校の耐震診断実施率は93・8%、耐震化率は62・3%、大規模地震で倒壊する危険性の高い小中学校施設は約一万棟でした。文科省は今後五年間で約一万棟の耐震化をすすめるとしています。
高橋議員は、耐震診断実施率93・8%は、十万―二十万円で実施できる優先度調査を含めたもので、耐震化工事に必要な二次診断実施率は62・8%にすぎないと指摘。文科省の岡誠一文教施設企画部技術参事官は、一九八一年以前の建物では耐震化率が38・8%にしか達していないことを明らかにしました。
高橋議員は、「二次診断にかかる二百万―三百万円の費用が自治体の足かせになっている。耐震化を義務付けするなら、ふさわしい予算措置をとるべきではないか」と追及しました。
泉信也防災担当相は「耐震化をすすめ、子どもたちが安全にすごし、被災地の手助けになる場所として使えるよう努力したい」と答弁しました。
学校耐震化をめぐっては六月、日本共産党をはじめとする与野党の共同提案で改正地震防災対策特別措置法案が提出されて可決、施行され、国庫補助率の引き上げなどが実現しました。
高橋議員は、被災地が同改正を歓迎していると紹介。一方で、七月二十六日に視察した築四十七年の青森県八戸市の吹上小学校が未診断であり、岩手県洋野町の体育館は耐震診断を発注した矢先だったことを例に挙げ、「国の施策が遅すぎたといわざるを得ない。これを重く受け止めて、耐震化を一気にすすめるべきだ」と迫りました。
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