2008年8月11日(月)「しんぶん赤旗」
「対テロ」戦費8590億ドル
「ベトナム」超す
米議会報告
【ワシントン=西村央】イラク、アフガニスタン戦争の米国の戦費は朝鮮戦争やベトナム戦争をはるかに上回り、第二次世界大戦に次ぐものとなっていることが、米議会調査局がこのほどまとめた報告書で分かりました。
報告書は米国の独立戦争(一七七五―八三年)に始まり、南北戦争(一八六一―六五年)、米西戦争(一八九八年)からイラク、アフガン戦争にいたる主要な戦争での戦費を二〇〇八年の物価水準で調整した額で示しています。
過去の最高は第二次大戦の四兆一千百四十億ドル(約四百五十二兆五千四百億円、当時の金額で二千九百六十億ドル)。以下、ベトナム戦争が六千八百六十億ドル(同千百十億ドル)、朝鮮戦争が三千二百億ドル(同三百億ドル)、第一次大戦が二千五百三十億ドル(同二百億ドル)です。
これに対し、今も継続中のイラク、アフガン戦争は八千五百九十億ドル(同八千九十億ドル)で、十年間続いたベトナム戦争の戦費を上回り、第二位となっています。この数字は、〇九年九月末までの予算で算定しており、泥沼化した戦争がなお続く場合、戦費もまた膨れ上がることになります。
報告は戦争に使われた費用を比較したもので、退役者の恩給などは含まれていません。
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