2008年8月16日(土)「しんぶん赤旗」
靖国神社
「南京大虐殺」否定の映画上映
賛同者に自民・民主議員ら
靖国神社の戦争博物館・遊就館で八月中の企画として、戦争美化映画「南京の真実」が上映されています。
副題は「第一部 七人の『死刑囚』」。
「七人」とは誰のことかと思って見てみたら、案の定、東京裁判で死刑となったA級戦犯の面々でした。
映画では、東条英機や松井石根(南京大虐殺時の中支那方面軍司令官)らを「七人の殉国者」と位置づけて美化。巣鴨プリズンで死刑執行を待つ松井らに語らせる形で、「南京大虐殺」はなかったと主張する内容になっています。
靖国神社が過去の侵略戦争を「正しい戦争」だったと肯定・美化することを自らの使命としている組織だということをあらためて痛感しました。
驚いたのは「製作委員会賛同者」のリストに政治家の名前がゴロゴロしていることです。石原慎太郎・東京都知事とともに、自民・民主・無所属の国会議員十六人がずらり。
自民党からは赤池誠章、稲田朋美、大塚拓、戸井田徹、松本洋平ら七氏、民主党からは松原仁、笠浩史、鷲尾英一郎、渡辺周、大江康弘ら六氏、無所属は平沼赳夫、西村真悟、松下新平の三氏が名を連ねています。(大江、松下両氏は参院議員で、ほかは衆院議員)
映画「南京の真実」製作委員会はカンパを募り、全三部作を目指すとしています。
自民、民主の枠を超えた「賛同」態勢と、相変わらずの「靖国」派の執念に、あきれつつも警戒心を強めました。(直)
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