2008年8月16日(土)「しんぶん赤旗」
多喜二再発見
『党生活者』ゆかりの地 東京・品川で戦争展
東京都品川区の中小企業センターで十六日まで「しながわ平和のための戦争展」が開かれています。小説「蟹工船」がブームになっている戦前の日本共産党員作家、小林多喜二と品川とのかかわりや、一九四五年五月の大空襲の資料などを展示しています。
多喜二の小説「党生活者」に登場する「倉田工業」は、同区西五反田にある藤倉工業(現・藤倉ゴム工業)がモデルです。多喜二も港区に住み城南地域とかかわりがあります。
十四日には、多喜二を研究する藤田廣登(ひろと)さんが、多喜二の足跡を記した地図や年表、単行本『蟹工船』や『党生活者』の新聞広告などを示して説明。「過酷な労働現場の実態を描いた『蟹工船』『党生活者』は、若い人たちに新鮮な驚きをもって読まれている。その反戦運動に励まされながら、憲法を守る運動に頑張っていきたい」と語りました。
説明を聞いた同区の女性(58)は「多喜二がこんな身近なところで生きていたと知って驚きました」と話していました。
区民がつくる実行委員会の扇谷道子さんは「多喜二が品川にも深いかかわりがあると知って展示しました。『戦争をする国』づくりが進められようとしているいま、戦争当時の実情を明らかにしたい」と話しています。
会場は東急大井町線下神明駅徒歩三分。