2008年8月17日(日)「しんぶん赤旗」

3閣僚参拝

靖国の火種消えず

韓国メディアが警告


 【ソウル=中村圭吾】十六日付の韓国紙各紙は、日本の福田康夫首相が終戦記念日に靖国神社に参拝しなかったことを、三閣僚の参拝とあわせて報じました。福田首相の不参拝を「周辺国の反発に考慮したもの」と評価する一方、今後も問題の「火種」が残るという指摘もありました。

 ハンギョレ新聞は、特派員のルポを掲載し、当日の靖国神社の様子を詳しく紹介。「(右翼団体の)『日本会議』や『英霊にこたえる会』は、福田首相の参拝不参加を糾弾する声明を朗読した。横では首相の参拝を求める署名運動が行われていた。これにこたえるように、小泉元首相、安倍前首相が早々と参拝を終え、福田内閣の閣僚三人が参拝した」と伝えました。

 京郷新聞は特派員のコラムで、「靖国の火種が完全に消えたと見るのはまだ早い」と指摘。靖国神社に侵略戦争を主導したA級戦犯が合祀(ごうし)されている問題を取り上げ、「戦犯の分祀(ぶんし)や第三の追悼施設ができないかぎり、靖国は、いつでも息を吹き返す火種になるほかない」と書きました。

 ニュース専門チャンネルYTNは、首相の不参拝で、靖国問題は「水面下に落ち着いた」ものの、「保守政権が続く場合、再び起こる可能性が大きい」と指摘。防衛庁の省昇格、愛国心教育を規定した教育基本法の改正などをあげて、日本が「軍国主義の歩みを強めている」と警告しました。



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