2008年8月21日(木)「しんぶん赤旗」
米軍地位協定の締結
米の期限に拘束されず
イラク政府
【カイロ=松本眞志】「イラクの声」通信は十八日、米・イラクが交渉中の米軍地位協定問題の締結期限について、米側が次期米大統領就任までとしていることを明らかにした上で、イラク政府がこの期限に拘束されないとの立場を示したと報じました。
イラク政府のダバグ報道官は十七日の会見で、「主要な点について米側の合意は得られたが、詳細な問題は米・イラク双方に持ちかえることが求められる」とし、イラク国民と連邦議会に協定案の詳細を周知し、検討を委ねるとの姿勢を表明。「次期米大統領就任までの協定締結という期限に拘束されない」と発言しました。
国連が定めた米軍駐留の期限は今年末までとされています。イラク側の見解は、協定締結交渉が来年一月の次期米大統領就任後に及び、米軍のイラク駐留の法的根拠が失われる場合もあることを示唆したものといえます。イラク連邦議会の判断で協定案自体が廃案になる可能性もあります。
ダバグ氏は、米軍撤退期限について、「米軍の駐留あるいは撤退の判断はイラクの治安情勢と結びついている」とし、「撤退後の空白を埋めるのはイラク政府が決定する」と語りました。
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