2008年8月24日(日)「しんぶん赤旗」
漁業危機打開へ共産党シンポ
大漁旗掲げ漁民連帯
岩手・大船渡市
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「燃油高騰の危機打開へ、日本の漁業をどうする」―。日本共産党岩手県委員会主催の第四回漁業シンポジウム「三陸の海と漁業を守り育てる道を考える」が二十三日、大船渡市三陸町で開かれ、三陸沿岸の漁業関係者ら約二百人が参加しました。
会場には色とりどりの大漁旗が飾られ、各地の漁協組合長などが参加。県漁業協同組合連合会の大井誠治代表理事会長や五つの漁協組合長、大船渡市など十市町村の首長などから三十通を超える熱い連帯のメッセージが寄せられました。
党県委員会の瀬川貞清書記長が主催者あいさつ。「今までのシンポで寄せられた漁民のみなさんの声をもとに国に働きかけ、数々の成果を上げてきました。今回も積極的な発言を」と呼びかけました。
パネリストによる報告では、吉浜漁協の伊藤久直氏が「三陸の海をどうするという話は党派を超えた問題なのでかけつけた」と発言。「新しく漁業を始めた八、九割がやめていくなかで」後継者問題の重要性を切々と話しました。田老町漁協青壮年部長の吉水裕信氏は、「食料自給率の向上により、漁業者の安定的な所得確保の対策を講じて、漁業の振興を図るべきだ」と訴えました。大船渡地方振興局水産課長の伊藤克宏氏は、他県との比較を交え、岩手県の水産業の現状と課題を語りました。
紙智子参院議員(農林水産委員)は、燃油高騰への直接補てんなど緊急的な対策をあげると同時に、長期的な問題として、「漁協や漁民が持つ漁業権への大資本の参入がねらわれ、農業と同じように漁業にも、財界主導のもとで『規制緩和』が行われようとしている」と問題提起しました。
会場からは「原油高騰対策で、県は何をやろうとしているのか」との質問や、「若い人がいなくなり、いまに漁船の乗組員は、みんな外国人になってしまう。まず一番先にマグロ漁船がやられる」などという声も出されました。
陸前高田市のカキ養殖の漁民は、「われわれがもっと声をあげていかなければいけない」と漁業者と県民の運動で危機を突破していく決意が述べられました。
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