2008年8月24日(日)「しんぶん赤旗」
「若者、変化に飢える」
蟹工船ブームを分析
英紙
英紙インディペンデント二十二日付(電子版)は東京特派員電で、プロレタリア作家・小林多喜二の「蟹工船」が日本でブームになっていることを紹介しました。
記事は、「おい、地獄さ行(え)ぐんだで!」という小説中の漁師の言葉とダブらせながら、現在の日本の若者が置かれた状況を分析。「マルクス主義小説の復活は、世界第二の経済大国で、この十年間の構造改革のなかで多くの被雇用者保護の措置が取り払われてきたことに対し不満が増大していることの証明だ」と強調しています。
そして、「日本の労働力の三分の一以上が非正規雇用であり、数百万の人たち、とりわけ若者たちは賃金が目減りし、将来の希望がしぼむなかで、いかに生活するかを模索している」と解説しています。
同紙はさらに、「こうした国民の気分の変化」は日本共産党にも追い風となっていると指摘。「同党の志位和夫委員長が二月に国会で非正規雇用の問題を取り上げ、福田首相を追及」してからは「毎月千人の新入党員を迎えているといわれる」と述べています。「人間をモノのように使い捨てる日雇い派遣」を告発した志位氏の国会追及のテレビの場面がインターネットでエンドレスで流れていることも紹介しています。
記事は最後に「日本はなお大企業優先の政策をとる自民党に支配されているが、『蟹工船』現象は多くの若者が急激な変化に飢えている兆候だ」と指摘しています。