2008年8月27日(水)「しんぶん赤旗」
海外派兵歯止めの力に
自衛隊人権問題でシンポ
福岡
いじめ、自殺など自衛隊内で深刻化する人権問題をテーマにしたシンポジウムが二十五日、福岡市内で開かれました。
同日、福岡高裁の控訴審判決で逆転勝利した、海上自衛隊佐世保基地の護衛艦「さわぎり」の艦内で自殺した三曹の両親による国家賠償請求訴訟を支援する会がよびかけたもので、百五十人が参加しました。
「さわぎり」裁判原告弁護団のほか、同様に息子を自衛隊内のいじめで自殺に追い込まれ、横浜地裁、静岡地裁浜松支部で賠償請求訴訟に取り組んでいる遺族と同弁護団代表、自衛隊問題に取り組むジャーナリストの三宅勝介氏、吉田敏浩氏らが報告、発言しました。
共通して強調されたのが、自衛隊が憲法違反の存在であることと、自衛官の人権擁護を対立的に考えるのではなく人権問題として追及することで、イラク、インド洋など危険な海外派兵への“暴走”に歯止めをかける世論を広げる力になることへの確信でした。
「さわぎり」事件の控訴審で自らの体験を証言した元海上自衛官(34)は「十代、二十代の隊員は知識はあっても技術がなく、上司や先輩の言動は絶対で逆らえない。今回の判決は“新しい風”でこれを“波”に変えてつらい思いをしている隊員を助ける力にしたい。今後も協力したい」と発言、参加者は大きな拍手でこたえました。
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