2008年8月29日(金)「しんぶん赤旗」

偽装告発した社員に解雇通告

キヤノンの対応正せ

小池氏が厚労省要請


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(写真)厚労省(左側)に早急な対応を求める小池議員(中央)=28日、国会内

 キヤノンの偽装請負を告発し、同社の期間社員になって十一カ月の男性が今月末で解雇されようとしている問題で、日本共産党の小池晃参院議員は二十八日、国会内で厚生労働省に対し、直ちに対応するよう求めました。

 今月末で解雇されようとしているのは、栃木県宇都宮市のキヤノン宇都宮光学機器事業所の期間社員、宮田裕司さん(29)。キヤノン非正規労働者組合宇都宮支部の組合員で、栃木労働局が偽装請負を認定した直後の昨年十月、請負から期間社員に直接雇用されました。しかし、上司から、「能力が劣っている」などと言いがかりをつけられ、一人だけ契約期間の更新がされません。

 小池議員は、「偽装請負を告発した労働者が、正社員になるどころか、わずか十一カ月で雇い止めの不利益扱いされることは許されない。労働者の命がかかっており、緊急を要する事態だ」と強調。キヤノンと同様に徳島県の日亜化学でも九月末で告発者の雇用が奪われようとしていると指摘、「正社員にしていれば、こんな事態は起こらない」とのべ、対応を求めました。

 需給調整事業課の担当者は、宮田氏らの二十一日の厚労省要請などで、事態は認識していると回答。小池氏の要請を栃木労働局に伝え、当事者の申告には連携して対応していくと答えました。


解雇撤回へ全力

宇都宮労組支部と塩川衆院議員が懇談

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(写真)組合員(手前)と懇談する小池候補(奥側右から)、塩川衆院議員、野村県議、福田久美子市議=28日、宇都宮市

 キヤノン宇都宮光学機器事業所の期間社員の解雇問題で日本共産党の塩川鉄也衆院議員は二十八日、宇都宮市内で栃木労働局と県に対し解雇撤回を要請するとともに、キヤノン非正規労働者労働組合宇都宮支部の大野秀之支部長と懇談しました。

 同事業所の期間社員、宮田裕司さん(29)は作業上の小さなミスを理由に八月末で「契約期間満了」と通告されました。会社側は二十八日の組合との団交でも「解雇は撤回しない」と表明しました。

 要請には小池一徳衆院比例候補、野村節子県議が同行。栃木労働局では安藤俊一局長、県では須藤揮一郎副知事が応対しました。

 塩川衆院議員は「キヤノンは、偽装請負を告発した労働者を雇い止めにする一方で、(期間社員について)求人募集を続けている態度は、『よほどのことがない限り二年十一カ月は継続する』とした会社幹部の意見とも食い違うもので、企業の社会的責任を果たしていないものだ」と指摘。栃木労働局に対し、県内の正規雇用労働者を増やす立場から、不利益を受けている労働者の救済を求めました。

 組合との懇談で大野支部長は日本共産党の支援に感謝を表明しつつ、今回の問題について「作業ミスは、製品の出荷に影響のない単純なミス。契約更新を拒否できる理由にはあたらない。組合員は会社のホームページへのアクセスも制限されている。奴隷のような働かされ方だ」と会社側の対応を批判しました。



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