2008年9月2日(火)「しんぶん赤旗」
告発者の雇用守れ
日亜偽装請負 共産党が要請
厚労省に
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日亜化学(徳島県阿南市)の偽装請負を告発した労働者が九月末で雇い止めにされようとしている問題で一日、日本共産党国会議員団は、厚労省に雇用確保を求める緊急要請を行いました。要請したのは、小池晃・政策委員長・参院議員、仁比聡平、山下芳生両参院議員です。
日亜化学は偽装請負を是正し、千六百人の労働者を直接雇用・正社員化するとの約束をJMIU(全日本金属情報機器労組)との間で結びましたが、これをほごにしたため、組合員らは労働局に直接雇用を求める申告を行っていました。
日亜化学は、子会社を通じて派遣会社に仕事を発注し、労働者は構内清掃などで働いてきました。徳島労働局は八月二十日に偽装請負の事実があったことを認めましたが、九月末で日亜から仕事が打ち切られるとして派遣会社が雇い止めを通告してきたものです。
要請で小池氏は、偽装請負があったのだから、直接雇用こそが解決の道だとのべ、日亜化学は製造請負で現在も求人をしており、雇用の条件と責任があると指摘。緊急に日亜化学、派遣元、労働者から事情を聞き、大変な思いで告発し、草むしりなどみせしめのような仕事にも耐えてきた労働者の雇用を失わせないよう手立てを講じるべきだとのべました。
さらに偽装請負を告発して直接雇用を求める申告事案は判明しているだけで十例を超えており、申告者らの雇用確保についての緊急調査をおこない、労働者派遣法の趣旨にそった直接雇用申し込み義務のあり方を再検討するよう求めました。
仁比氏は「告発した労働者が放り出されるのを認めれば、労働行政のあり方が問われる」と指摘。山下氏は、「申告で不利益になれば、申告制度がなんなのかということになる」とただしました。
応対した職業安定局の大槻勝啓次長は、個別案件にはこたえられないとしながらも、派遣法違反を申告したことによって不利益をうけることはあってはならいとのべ、「雇用の安定を支援していかなければならない」とのべました。