2008年9月8日(月)「しんぶん赤旗」

国保証取り上げ

無保険児の実態調査

厚労省


 親が国民健康保険の保険料を払えないために国保証を取り上げられ、無保険状態になっている子どもが多数いる問題で、厚生労働省が全国的な実態調査を始めました。

 都道府県を通じて、市区町村が資格証明書を発行した世帯数と、その世帯にいる乳幼児、小学生、中学生の人数を、九月十五日現在で調べます。子どもがいる世帯への特別な対策があるかどうかも調査します。三十日が締め切りです。

 大阪社会保障推進協議会などの調査では、千八百人以上の子どもが府内で無保険状態にあることが判明するなど、各地で問題になっています。

 国保証取り上げをめぐっては、日本共産党の小池晃議員が昨年三月に参院予算委員会で、高すぎる国保料と国保証の取り上げが「命の格差」まで生み出している問題を追及。東京都板橋区では、気管支ぜんそくで都の医療助成を受けている小学生の保険証まで取り上げた例などを示しながら、生活に困窮している人からの国保証取り上げの中止と実態調査を求めました。

取り上げ反対 一貫して主張

共産党

 日本共産党は、国保料を払いたくても払えない人からの非情な国保証取り上げに、反対を貫いてきました。

 資格証明書は、市区町村に発行が義務づけられた二〇〇〇年以降、大幅に増えました。発行を義務づけた国保法改悪(一九九七年)には、当時の自民、民主、社民の各党が賛成。日本共産党は反対しました。

 〇七年三月には、緊急提言を発表し▽生活困窮者からの国保証取り上げの中止▽減らしてきた国庫負担を計画的に元に戻し、高すぎる国保料を引き下げる―ことなどを求めました。


 資格証明書 国保料を一年以上滞納している世帯に対し、国保証の取り上げと引き換えに発行されます。資格証明書では保険がきかず、医療機関の窓口で医療費の全額(十割負担)を支払わなくてはなりません。このため受診抑制や治療中断などが起き、深刻な問題となっています。



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