2008年9月13日(土)「しんぶん赤旗」
日雇い派遣 例外18業務
労政審部会報告案 禁止骨抜きの恐れ
労働政策審議会労働需給制度部会が十二日開かれ、労働者派遣法見直しの報告案が提示されました。日雇い派遣など三十日以内の短期派遣を禁止する一方、事務機器操作など十八業務は例外として認めるなど骨抜きにつながりかねない内容が盛り込まれています。十八日にもまとめる予定。
現在、通訳など二十六業務は専門性が高いとして派遣期間の制限はありません。原則禁止ならこれも厳しく規制すべきですが、特別な雇用管理を要するとしてビル清掃、駐車場管理、市場調査など一部を除外してあとは認めることにしました。
禁止する期間も三十日以内のため、雇用契約の多数を占める一カ月超一年未満の細切れ契約は温存。不安定雇用を増大させている登録型派遣の規制にも一切ふれていません。
偽装請負などがあれば派遣先が雇用契約を申し込むよう行政が勧告する制度を導入。ただし、「派遣先に一定の責任のある場合」とされ、派遣先が雇用責任を免れる仕組みが盛り込まれています。登録型派遣の常用雇用化や派遣先労働者との均等待遇も「努力義務」にとどまりました。
一方で、常用型派遣は雇用契約の申し込み義務から外し、派遣先が受け入れる労働者を特定する行為も認めます。常用雇用から派遣への置き換えがすすみ、常用雇用の代替防止という派遣法の原則を危うくするものです。
この日の会合で、労働者委員は「登録型を禁止すべき」「(派遣先が雇用したとみなす)みなし雇用を導入すべき」と主張。使用者側は「日雇い派遣の可能業務は広く認めて医療なども加えるべきだ」「二年間の猶予期間が必要」とのべました。
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